後朝
まどろみから目覚めると、すぐ目の前にあったのは最愛の恋人の寝顔。右手は自分の枕に、左手は
しっかりと腰に回されている。けれど窮屈さはなく、すぐ傍にあるぬくもりが段々冷えてきた空気の
中で心地よい。
こうして彼よりも先に目覚めるのはあまりないことで、しっかりとホールドされている腕を
動かして起こすのもなんだかもったいない気がして、じっくりと彼の顔を観察することにした。
──まつげ…結構長いよねえ。きんいろだから、目立たないけど。
下忍だったころと比べてはるかに背も伸び、精悍さというものが備わってきたナルトで
あったけれど、こうして眠っている顔にはあのころの幼さが残っている。
けれどどうして起きているときと眠っているときの印象がここまで違うのだろうと思いを
めぐらせると、答えはすぐに出てきた。
目が、あの蒼い目が見えるかどうかが一番大きいのだ。揺らぐことも逸らされることもない、
まっすぐな眼差し。それには彼の強さがこめられているから、それがあるかどうかで受ける印象が
だいぶ変わってくる。
──その瞳が、好き。
深く広がる海とも、遠く広がる空とも言える碧い、蒼い瞳。それをしっかり見つめられるように
なったのは最近になってのことだけど。
「ん〜……ヒナタ?」
やっとお目覚め。ちょっとぼんやりしてて目をこする仕草なんかが可愛い。
「おはよう。ナルト君」
「おはよ、ヒナタ」
まるで当然のように軽くキスをして。
さあ、一日の始まりです。
これはおまけですね。短いです。ナルトの寝顔の実況をヒナタにしてもらいたくて
書いたものです。
執筆者/雪宮
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