雪色の人

二月・・・、卒業シーズンを控え、周りが慌ただしくなってきたのを感じながら、ヒナタはふぅ・・・と 溜息をついた。
(卒業、かぁ・・・。)
進学先の高校にも推薦で合格、周りの友人達も次々に高校に合格していく中で、ヒナタは徐々に 別れの淋しさを感じ取っていた。
「・・・・。」
「口、開いてるよ。」
突然の指摘の声にヒナタはビクッと体を揺らした。声の方向にはサクラが立っていた。右手には なにやら細長い紙が握られている。
「ど、どうしたの・・・?」
ヒナタがサクラに訪ねると、サクラはこんな事を切り出した。
「ねえ、今日の放課後って暇?」 「
えっ・・・、うん・・・。」
勤勉なヒナタも最近は放課後の自由な時間が取れるようになっていた。希望の進学先に合格できた 事もあって、親が門限を緩めてくれたからである。
「今日さぁ、アタシの家でパーティーやんのよ。ヒナタも来ないかな〜って思ってさ。」
「私は、行けるけど・・・。」
ヒナタが口ごもる。しかし、サクラには既にヒナタが何を言いたいのかお見通しだ。ニコッと 笑って「ナルトも来るわよ!」と言う。ヒナタは戸惑いを隠せない様子だが、明らかに嬉しそうな様子だった。
「それから〜・・・。」
サクラはなにやらゴショゴショとヒナタに耳打ちした。と、ヒナタが急にガタッ!っと立ち上がった。 その顔は真っ赤になっている。
「サ、サクラちゃ〜ん・・・!」
「さぁ〜、一足先に行きましょ〜か!」
サクラはニヤニヤしながらヒナタの手を引き、自宅までの道を猛ダッシュで走っていった。

「なぁ、ヒナタ来るんじゃなかったんか〜?」
パーティーの時間になっても現れる気配のないヒナタに、ナルトは少し不満そうだった。
「もうすぐ来るって!おとなしく待ってろ。」
いのが運んできた料理をテーブルに並べながら、シカマルがナルトをなだめる。モチロン、これから 何が起こるか分かっていないのはナルトだけだ。隣の部屋からはなにやらゴソゴソと物音が聞こえているが、 ヒナタ待ちのナルトには聞こえていないようだ。
「さぁ〜て、そろそろね〜。」
キッチンから出てきたいのが時計を見る。と、物音が聞こえていた部屋のドアがガチャリと開き、 中からサクラが現れた。
「あれ、サクラちゃん??ヒナタ迎えに行ってたんじゃねぇの???」
「連れてきたわよ〜、ちゃ〜んと。」
サクラはニヤッと笑った。ナルトはその態度の意味が分からず、不思議そうに首をひねった。
「いいわよ〜!」
サクラが出てきた部屋の方に向かって言った。すると、中から出てきたのは・・・。
「・・・・・・!!!」
「ナルト君・・・。」
ヒナタ・・・、しかも着物の・・・。純白の着物に身を包んだヒナタは、まるで女神のように美しく見えた。
「ヒ・・・ヒ・・・、ヒナタぁ!?」
「変、かなぁ・・・。」
ナルトは口をあんぐりと開けたまま、ブンブンと首を左右に振った。雪のように真っ白な布地に青い 帯、美しく彩られたヒナタがナルトの目の前に立っていた。いつの間にかサクラたちはいなくなっていたが、 そんな事はもうナルトの意識の中には無い。気がつけばギュッとヒナタを抱きしめていた。
「ナルト君・・・。」
「綺麗すぎ・・・、反則だってばよ・・・。ますます好きになっちまう・・。」
「もっと好きになってほしいから、綺麗になったの・・・。」
うっすらと化粧をしたヒナタの顔をジィっと見つめ、紅の塗られている唇にそっと自分の唇を重ねる ナルト。きっとサクラ達はどっかで見ているだろうが、目の前の宝石のような恋人の誘惑にはかなわない。 長く甘いキスを、二人の世界で楽しむのだった。


どうも〜、亮俊でっす!また書かせて頂きました。今回は現代版なんですが、また コスネタ・・・(汗)しかもこのタイトル・・・(死)こんどはどんなコス(またかいっ!)がいいか、 感想待ってます!
執筆者/亮俊


モドル。
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送