lovers star

「寒いね・・・。」
夕方の帰り道、小川の側の小道を歩きながらヒナタがつぶやく。テクテクと隣を歩いているナルトは、 自分の首に巻いていたマフラーを外してヒナタの首に巻いてあげた。
「待ってなくても良かったんだぜ?」
「待ってたかったの・・・。」
そう言いながらヒナタはマフラーを巻くナルトの手をにぎった。
「暖かいね・・・。」
「ヒナタの手が冷たすぎるんだってばよ。」
二人は手をつないでまたテクテクと歩き出した。ナルトの体温が手を伝ってヒナタの冷え切った手に 温もりを伝える。ヒナタは不意に空を見上げ、天空を指さした。
「あっ、想い星だぁ・・。」
「・・・想い星?」
ナルトが聞き慣れない言葉に首をかしげる。
「うん、想い星。昔よくお母さんに話してもらってたんだぁ・・・。」
ヒナタがたちどまり、小川の土手にペタンと座る。ナルトも腰を下ろし、ヒナタの話を聞く。
「冬の空にはね、想い星っていうのがいつも光ってるんだって。その星は、寒い冬空にも負けないで、 どの星よりもキラキラ光ってるんだって・・・。」
「ふ〜ん、初めて聞いたってばよ。」
「それでね、想い星のある場所のちょうど反対側に、願い星っていうのがあって、その星に好きな人と一緒に いられますようにってお願いすると、想い星がその願いを聞いて、願い星と一緒に叶えてくれるんだって・・・。」
ヒナタは反対側の空を見ると、ちょっとキョロキョロと何かを探して、何かに気づいたように指をさした。
「ホラ、あれが願い星!」
「ん〜・・・あっ、アレかぁ!」
遠くの方でひときわ輝きを放っている様に見える星、ナルトがふとヒナタの方を見ると、ヒナタは一心に 何かを願っているような動作をしていた。
「ヒナタ・・・?」
「・・・・えへへっ。」
ヒナタがニコッと笑った顔をナルトに見せる。ナルトはすぐにその笑顔の理由を察して、願い星の方に 向かっておいのりをするようなポーズを取った。
「どーか、ヒナタといつまでも一緒にいられますよーにっ!」
「こ、声に出さなくても出さなくても良いんだよぉ・・・!」
「だって、大声でお願いしなきゃ聞こえないかもしんねーじゃんっ!」
ナルトはニカッと笑ってまた大声でお願いをしようとした。
「どーかヒナタと・・・!」
「どうかナルト君と、いつまでも一緒にいれますように!」
突然声を張り上げたヒナタに、ナルトは面食らってしまった。
「ひ、ヒナタ・・・。」
「えへっ、真似しちゃった。」
ヒナタはナルトに笑ってみせるが、その顔は恥ずかしさで真っ赤に染まっていた。その顔がおかしくて しょうがなくて、ナルトはおもわず吹き出してしまった。
「わ、笑わないでよぉ・・・!」
「だって、だってよぉ・・・あはははっ!か、顔真っ赤にしてて・・・・うはははっ!!」
ヒナタはもうっ!という感じでうつむいたが、その顔は笑っていた。
想い星と願い星。二つの星は、二人の願いを聞いてくれるのだろうか。・・・二人がいつまでも笑って いられる、その日が続く限り、二つの星は二人を照らし出すだろう。輝きを絶やさない、星のような二人を・・・。


また書かせてもらいました、亮俊ですっ!なんか甘くて幼い感じがしないでもないですが、 力作です!
執筆者/亮俊


モドル。
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送