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  夢を見た。
彼は、体中を赤く染めていた。
私が傍に寄ると真っ白なシーツに広がっていく赤の中で、私を見て、笑った。
仲間を庇ったためと聞いて、涙で、歪んでいく世界の中で、彼らしいと思った。


止められないモノ


その日、彼の家に行った。
いつも通り、私は料理を作り、彼は美味しいと言ってくれた。
そして、交代で風呂に入り、同じベッドに入った。

彼の腕を枕とする代わりに、彼の指が私の髪をなでる。
本当に幸せだと思う。
・・・だからこそ言わずにいられなかった。
―― ねえ、ナルトくん、死んじゃ駄目だよ。 ――
真っ暗な部屋に、私の声が響く。
そして、彼の指の動きが止まる。

十秒くらいだったと思う。
その間、暗闇の中を、私の言葉がずっとたゆたっていた。
私の言葉の中に、色事の後の戯れ言の中に、何かを感じたのかもしれない。
―― オレは、ヒナタと里のために命を懸けないといけないから ――
はっきりとした、力強い口調だった。

――― パシン ―――
私は、馬乗りなって、彼を見下ろしていた。
赤くなっていく頬を見ながら
意外と鈍い音なんだな。なんてことを考えていた。
―― ゴメン。 ――
彼の口調は、相変わらず、はっきりとしたものだった。

彼の瞳には、私が映っていた。
暗闇でも分かるほど、強い光を持っていた。
私の瞳にも、彼が映っているだろう。
なのに。・・・なのに、お互い、違うモノを見ていることが悲しかった。
返す手で、さっきとは逆の頬を打った。

―― ごめんなさい。 ――
馬乗りのまま、彼の頭を抱えるようにしがみついた。
―― ごめんなさい。ごめんなさい。 ――
もう涙で、何も見えなかった。
―― ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。 ――
ただ、その言葉を繰り返した。

―― ヒナタ。 ――
彼の腕によって、少しだけ起こされた。
指で涙を拭ってもらう。
―― ありがとう。 ――
感謝の言葉とともに、キスをされた。
唇を合わせるだけの短いものだった。

そのまま抱きかかえられて、眠りに落ちていった。
その間ずっと、彼の頬と、自分の手に、熱を感じていた。

数日後の夕方、私は、任務から帰る彼を迎えに行った。
彼は、私を見つけると、左手を振った。
右手には、赤い包帯。
私は、出来る限りの笑顔で迎える。
キスを交わして、お互いの顔を見合う。
明るく笑う彼の頬は、やっぱり赤かった。
そして、私の手も。


この時期だというのに、やってしまいました。忙しいとは、思いますが、なんか 浮かんじゃって、エイヤと一息な上、全然エロくないんですけど、せめて北山さんの気分転換ぐらいには・・・。 難しいですよ〜。なにより、パソに打ち込むのが、文考えるのより長いんだもん。
 時期的には、ナルトの実力が、里で、10位内に入ったくらいかな。このままなら、 火影狙えるみたいな。
あと、月ロマっぽくない!こんな死にネタのようなシリアスってどーYo?
それと、馬乗り中のヒナタは、当然全裸です。かっこいいです。ヒナタさん。
書き終わった直後なのでメタメタです。後、『たゆたう』って漢字、出ないんですね。
執筆者/海影


モドル。
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